「最近、少年犯罪が増えてきてるな」
「…そうね。みんな、アノ話を真に受けすぎなのよ」
「そう。アノ話が実話じゃないって思ってるから、ああやって犯罪が起きていくんだ」

「ワタシ達大人にはわからない話だけどね」
「あぁ、ガキの考えてることなんか全く…分かりたくも無い」
「でも、大人の私でも、大人は嫌いよ。」
「…?矛盾してないか?」
「矛盾するしかないのよ。ワタシだって、元々子供だったんだから。」



「…俺だって、元々は子供さ。そして…二代目の優勝者だよ。お前もな」
「ええ、ワタシは初代プログラムの優勝者。そして今回のプログラムの担当でもあるわ」
「何で、あの頃決めた約束を破って俺たちはプログラムに参加したんだろうな」
「それは、考えちゃいけないの。…それだけは。」
「ああ…分かってるよ。もう、あの頃のことは忘れた…これでいいだろ?」
「そう。それでいいの、レン。思い出しても…悲しくなるだけよ」









「神崎、樋口。もうすぐ十二支高校野球部が到着する―――…準備を整えよ。」


「了解。」
「りょーかいっと」


「ワタシたちの任務は今回のプログラムを無事に成功させること。ヘマは許されないわ」
「もしアクシデントがあったら、《クビ》だもんな。…文字通りの、クビ。」
「少し黙ってなさいな。今から私たちも命がけの仕事するんだから」
「ハイハイ、分かりましたよ…シオンさん。」























これからアナタたちが必死になるのも分かるけどね…

ワタシたちも、必死なのよ?



初代優勝者の先輩から、エールを送るわ。


無駄に死ぬのだけは、やめなさい。
でも、アナタの死は、無駄じゃないからね。












「この隣の部屋には、哀れな野球部員が眠っているのよね?」
「ああ…可哀相に。この政府の実験体にされるとは…」
「行くわよ、レン」
「あいよ」











ガララ


皆ビックリしている。
一部の生徒は首に手を当てて既に青ざめていた。






「おはようございます、哀れな野球児達。

    どうでした?最後の睡眠は」










球児達とは違う、ワタシたちに下された運命。
悪いけど、生き残るために…協力してね?