古代中国のとある場所に、三國駅という駅がありました。
そこは、自分の人生の行き先を求める者がここへ来て、駅長・陸遜に道標を教えてもらうのです。


今日も迷える狼が一人。





三國駅〜暴走茅ヶ崎野朗編〜





本日は晴れ。最高の洗濯日和。
今日は晴れて気分もいいし、何よりいつもと違う事が起こりそうな気がしてわくわくする。

でも、実際にやってきたのは昨日までの平和をぶち壊す奴がやってきたわけで。





「ここかぁー?三國駅ってとこは」
「はい、そうですよ。どうなされたのですか?」
訪ねてきたのはいかにも”不良”といった感じの男であった。
ツンツン頭に、分けの分からない羽。
龍の模様の刺青。そして歩く度に五月蝿そうな鈴。
でも、『さわやか』とは違うカッコよさを、陸遜は感じた。
「あのよォ、相談っていうのか分かんねェんだけどよ…」
「大丈夫ですよ、まずは話しましょう。貴方、お名前は?」
「あ?俺の名前は甘寧だよ」
甘寧は、少し照れたように笑っていた。

甘寧、か…。


「この飲み物うまいなぁ!」
甘寧は私の差し出したプーアール茶をゴクゴクと飲んでいた。
「ありがとうございます。それで、相談というのは…?」
「おおっそうだったな!!」
「(何かやけに笑ってるな、この人)」

「俺さぁ、今呉に仕えてんのね。
で、暇な時は遊郭とか行って、暇つぶししてたんだけど、最近、何してもつまんなくてさ」
「つまらない?」
おう、と甘寧は答えた。
「親友と飲んでても、軍師さんからかってても、何してもつまんねぇんだ。
恋愛でもしてみようかなって思ってても、無理なんだ。」
「何故ですか?」
「…どうせいつかは、別れるだろ?なら初めから誰も好きにならねェって、
昔から俺、そう思ってんだ。」
「へぇ…私の考えと似てるんですね」

確かに、陸遜もそう思っていた。
いつか消えてしまうなら、最初からいらない。
昔から押し通してきた、譲れないポリシー。

でも何故だろう。いつかその思いが消えてしまうような気がしてたまらない。
いつしか、甘寧はしゃがみこんでしまった。
「はぁ…何か俺、何もかもやる気なくなってきた…」
引きこもりになりそう、と甘寧は笑っていた。
その笑顔を見て、陸遜は胸が痛くなった。

私が、この人の幸せの支えになれたらいいのに。


私は、何故か人に執着し始めていた。

「…そうだ。なぁ駅長。しばらくここに俺を置いてくんねぇ?」



「は?」


よいしょっと甘寧は立ち上がり、笑顔で言った。
「だってよぉ、ここにいて幸せに接する仕事してたら、いつかは俺の幸せも見つかりそうじゃん?」
「…まぁ、そうかもしれませんが…。ここにいても貴方にとってはつまらないと思いますよ?」
甘寧は大丈夫だよ、と言って陸遜の背中を叩いた。
「今から俺は三國駅の駅員だ!!駅長よろしくな!!!!」
「はぁ…」












今日は電車は来なかった。けれど、
私は人生という道を一歩進んだような気がする。


まだ見ぬ結末へと向かって。

















こちら三國駅。
貴方が幸せになれる切符がここにはあります。

駅長・陸遜と、駅員・甘寧は貴方の訪問をお待ちしております。























END









ごめんなさい、話をすっ飛ばしました。(汗)

話の進行上、こっちを先に更新したほうがいいかなぁ、と思ったわけです。
こっからやっとこ甘×陸になっていくというか。
私の文で甘陸が出来上がるのかは不明ですが。(汗)

次こそゴ○が登場ですよー☆(コラ)


2005/3/11  山本