古代中国のとある場所に、三國駅という駅がありました。
そこは、自分の人生の行き先を求める者がここへ来て、駅長・陸遜に道標を教えてもらうのです。
今日も迷える狼(?)が一人。
三國駅〜我が侭な姫様編〜
本日はやや曇り。太陽は西に傾きはじめていた。
「ここが三國駅なの?」
「はい、私は駅長の陸遜です。どうなされたのですか?」
本日訪ねてきたのは女性だった。
女性にしては短い髪で、少し気の強そうな印象。でも高貴さが漂っていた。
「実は、家族の事で相談があって…」
「はぁ…(どうせ父がセクハラとか父が風呂覗くとか、そんなもの?)」
女性は今にも泣き喚きそうな声で言った。
「兄がロリコンでもう一人の兄が甲高い声でホモな場合どうすればいいの!?」
またホモですか…(汗)
「ちなみに、あなたのお名前は?」
「っ…孫尚香よ」
私は孫尚香に落ち着いてください、とジャスミン茶を手渡した。
「しかもっ…そんなヤツが一国の君主なのよ!!有りえないわ!!!!」
「でもそれは血が血ですからねぇ…しょうがないのでは?」
孫尚香が言っているのはご存知の○策と○権である。
「確かに権兄に対して慕っている将や民は多いわ…。
でも私はホモとかよりもその甲高い声が許せないのよーー!!」
孫尚香は我が侭である。自分が納得いかないことは全て許せないのだ。
私は一瞬ある答えを見つけたが、それは最悪な結果に繋がるので言わない事にした。
「な、ならばその事を直接本人に言ってみるのが一番ではないですか?」
孫尚香は首を横に振った。
「そんなのはもう最初にやったわ。でも逆にその甲高い声で
『我が国のアイドル軍師に恋をして何が悪い!?』
って逆ギレされちゃったわ」
陸遜の身に一瞬ブルッと全身に寒気が襲ってきた。
しかし、陸遜は何事も無かったかのように話を続ける。
「ならば、その不満を他の将らと共に訴えれば…」
「それは3番目にやった策よ。甲高い声でおんなじ事言われたわ。」
孫尚香はまた首を横に振った。
陸遜は自分の頬に汗がつたっている事に気がついた。
なぜか自分の身に危険を感じたからだった。
「で、では…その方の兄に頼んで…」
孫尚香は三度目の首を振る。
「それ、2番目の策だわ。策兄も権兄に言ったんだけど、いつもの甲高い声で
『兄者…これが私の選んだ道なのです。』
って、堂々と言い切られたそうよ。」
私は何だか悲しくなってきた。いや、この国の未来に対して。
「ねぇ…駅長さん…これからどうしたらいいのかしら…?」
私も必死に何か策はないかと頭を練った。
すると、単純にも答えは見つかった。
「…そうですよ!!その方が想いを寄せている方に言ってもらえばいいんですよ!!!!」
「っあ!そうか!!全っ然忘れてたわ…」
孫尚香はやったぁと陸遜からもらっていたジャスミン茶を飲み干した。
「よかったですね、尚香様!!これならうまくいきますよ!!」
何故か私は孫尚香に様付けをしていた。
これは私の意識の中が無意識に孫尚香に絶対的服従していたのだ。
「そうね、これなら上手くいくわ!ありがとう駅長さん♪って…あら??」
孫尚香はいきなり首を傾げた。私はどうしました?と尋ねた。
「駅長さんってよく見たら権兄が好きな人にすっっごく似てるわ…
…ホラ!さっき言ってた『アイドル軍師』よ!!」
その瞬間、陸遜の顔が一気に青ざめた。原因不明の、だ。
「ま、まぁ似てるってだけですからね!!私は毎日ここにいますし。
ま、まぁそんなに似ているなら一度はお目にかかりたいですね!!」
私はポケットの中からお決まりの切符を取り出す。
そして、それを孫尚香に手渡した。
「これが貴方の幸せ行きの切符です。
次こそ貴方の願いが叶うと思いますよ。早く…平和な時が訪れるといいですね。」
「ウン!本当にありがとう!!」
孫尚香は初めて笑顔を見せた。
「(いつもそうやって笑顔なら可愛らしいお人なのに)」
その時、カタンカタン…と、いつもの電車が駅が到着した。
「じゃあね!駅長さん!!」
電車に乗り込んだ孫尚香は幸せそうな表情だった。
そして、窓越しに見えたのは、
孫尚香と、噂の甲高い声のヤツと、呉の(ジャニ系)アイドル軍師。
「・・・・・・・・・(汗)」
『孫権様、その甲高い声をやめて下さい。
…貴方のこと、嫌いになっちゃいますよ??』
『や、やめてくれ!!陸遜!!わかった!!フツーにするから!!!!』
「・・・・・・・・・・・・・・(汗)」
ここは三國駅。
年中無休、24時間体制で、あなたの訪問をお待ちしております。
きっと、あなたを幸せへと誘ってみせましょう。
END
おまけ
あとがき
はい、本日のお客様は孫尚香でしたー。
今回は多少ムリがあった、と少し反省しております。
今書いてある三國駅の次のお客様は…
ゴ○ッ…(自主規制)
さぁ、更新をお待ちください。(笑)
2005/2/22 山本ハルカ。
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