正直言って、邪魔だった。
俺はマジメに野球やってんのに
あのバカはふざけてばかりで。
140キロのボールをあいつの頭に
ぶち当ててやろうと思った日もあった。


でも何故だろう。
あいつの事を考えると変な気分になる。





最初見たときから気に入らなかったよ。
あいつはモテてるくせに
女が嫌いだなんてどんだけもったいないんだ!!
あいつ、本当にモーホーさんか??

でも、何でだろう。
女の子があいつに惚れるのが
なんとなく、納得してしまう。







まだソレを認めたくはないけれど





この女に追いかけられる体質。
あの猿におすそ分けしたいぐらいだ。
それなら俺も平和、あいつも平和。一石二鳥。
でも、部活のとき俺は偶然見てしまった。
猿とあの女マネが話しているところを。

別に俺にはなんの関係もないのに。
猿のあの笑顔を見ると胸が痛む。

俺の前でも、そんな風に笑ってくれよ。


何であいつ女の子が嫌いなんだろう。
そんなんだったら、彼女なんてできないじゃんか。
それで、少し安心しすぎてたかもしれない。
同じクラスの女子が、犬と気が合うかは
知らないけど、よく話してる。
犬も、わずかだが笑顔を見せていた。
すげぇ不安で、とっても怖くて。

犬飼は俺に笑顔も見せてくれたことないのに。





きっと、ボクは恋をしている。






別に女マネと喋ることが嫌だとは思わない。
同じところで活動しているわけだから、関わりは持つだろう。
ただ、相手が相手だからだ。
多分、鳥居っていう女マネは猿がすきだ。
だから、嫌なんだと思う。
でもさ、俺って男だろ?猿も男だし。
このままだったら猿に「モーホーさんかよ」って、軽蔑される。
だから、こんな気持ちはしまっておいた方がいいんだ。
それなら、お互いいい感じでいけるし。

俺の気持ちを生け贄に、幸せになれるだろ??



凪さんといるとそりゃ楽しい。
なんてったって、俺にとってのマドンナだし。
でもさぁ、前に凪さんと話してたら
偶然犬が通りかかって、あいつと目が合ったんだ。
そしたらあいつは目をそらして、すぐどっか行っちまった。
俺、気がつけばあのとき、何か言ってくれるの待ってた。

そんなの、ただの妄想??
お前は、俺に何とも思っちゃいないのか??







求めているのは、ただ一つ

それはアナタ








俺は冥

俺は天国



己の魂を込めるピッチャー

決して負けることの許されないバッター



その笑顔を見せてくれよ

何か、俺に感情を持ってくれよ



でもよく表せないから

この言葉に託すよ












俺たちは
不器用でも生きる


恋愛戦士